3.11.1 多指ハンドによる物体の把握 2022-6-10,
2022-12-20改訂
ソースファイル:FingerGraspSource 実行ファイル :FingerGraspexe
多指ハンドによる物体の運動学的問題はロボットの運動学に以下のように分類できる.
1.物体の把握の運動学
1−1.把握の逆運動学
1−2.把握の順運動学
2.物体の把握の力学
3.物体の操りの運動学
3−1.操りの逆運動学
3−2.操りの順運動学
4.物体の操りの力学
ここでは1−1の把握の逆運動学を扱う.
・多指ハンドの指の腹による物体(ワーク)の把握のシミュレーションを行う.
・物体の把握とは,それぞれの指リンクをワーク面と接触させることである.
・ハンドに対して物体の位置姿勢が決まれば接触点,すなわち把握状態が決まる.
・ここでは物体の位置姿勢を色々変えて把握状態がどの表に変わるかを見る.
・姿勢によって奇妙な把握になることもあるが,安定な把握かどうかは力学的な解析をみなければ分からない.ただ見た目がよくない把握状態に不安定だと直感するのは大体正しい.
把握シミュレーションの使用説明
1. 多指ハンド4種:
第1指=親指2関節 PP
第2指=人差し指3関節 RPP or QPP
第3指=中指3関節 RPP or QPP
第2,3指の第1関節R or Qは指の回転面を変えるために使い,把握には第2,3関節PPを使う.
ハンドの位置姿勢は不変.掌中心を原点に,面をY軸方向に置く.
第2,3指の第1関節は指の回転する向きを変えるために使い,PP関節で把握する..
2. 物体(ワーク)4種
大きさ形状は固定.
位置姿勢は変えられる.
ワークを選択しその位置姿勢を変えて把握状態を見る..
操作手順:全てキー操作で行う.
以下の手続きは画面上左側に表示されており,それに従って操作することができる.
1. 条件設定
‘H’:多指ハンドの選択 → ‘1’, ‘2’, ‘3’, ‘4’のどれかのキーで4種から選ぶ.
‘J’:第2,3指第1関節角q1変更
→ ‘2’, ‘p’ or ‘m’ :第2指q1を±1step回転
‘3’, ‘p’ or ‘m’ :第3指q1を±1step回転
‘W’:ワークの選択 → ‘1’, ‘2’, ‘3’, ‘4’のどれかのキーで4種から選ぶ.
‘M’:ワークの位置姿勢変更
→ ‘X’, ‘x’, ’Y’, ‘y’, ‘Z’, ‘z’ でX, Y, Z方向に±1step移動
‘P’, ‘p’, ‘Q’, ‘q’, ‘R’, ‘r’ でX,Y,Z軸回りに±1step回転
●’H’, ‘W’は独立に設定できる.’H’変えても‘W’の設定条件は変わらない.
●’H’, ‘W’変えれば関節角は初期化され,前の接触データは全て失われる.
2. 把握動作実行 指番号と関節番号を[n,m]とする.
‘A’:把握動作(3指×2指リンクとワークの接触
→ ‘s’で[n,m]=[1,1]→[1,2] →[2,2]→[2,3] →[3,2]→[3,3]の指リンクが接触動作をする.
●’s’毎に条件変更’H’, ‘W’をすることができる.但しこれまでの接触データは失われる.
●ある指リンクの接触解がなくても次の接触計算へ移行する.
3. 描画画面の操作
‘I’:画面視点の変更
→ ‘X’, ‘x’, ’Y’, ‘y’, ‘Z’, ‘z’ でX, Y, Z方向に±1step画面移動
‘P’, ‘p’, ‘Q’, ‘q’, ‘R’, ‘r’ でX,Y,Z軸回りに±1step画面回転