12.0.1 AGVの運動方程式 改訂2008−10−16
0.1.1 機構と運動方程式(著書の再掲)
(1)2駆動輪(2DW1C)機構(図12.0.1)
・2駆動輪の中点を代表点とする.
・2つの駆動輪の円周速度が制御変数である.代表点の速度・回転速度を,ホイールベースをBとする.
・運動方程式は
(2-1)
(2)1前輪駆動1ステアリング(1FDW1FS)機構(図12.0.2)
・2つの後車輪の中点を代表点とする.
・前輪の速度をvステアリング輪の傾きをφ(傾き速度ω),トレッドをLとする.
・が制御変数である.
・運動方程式は
(2-2)
または
(2-3)
・ただしはステアリングの回転速度で有限値であり,急に舵を切ることができない.(2)式は速度vと変位φの関数としての表現であり,(3)式は速度だけの関数表現である.前式を使って構わないが,後述の制御では軌道追従誤差をにフィードバックするので後者の方が表現し易い.
(3)1後輪駆動1ステアリング(1RDW1FS)機構(図12.0.3)
・これは乗用車,またはオート3輪の機構である.
・1つのモータで差動歯車機構を使って両駆動輪に振り分ける.両駆動輪の速度は旋回によって変わるが和は一定という性質を持っている.
・すなわちその中点(代表点)の速度は駆動モータの速度を車輪の円周速度に換算した値である.
・が制御変数である.
・運動方程式は
(2-4)
または
(2-5)
である.
・これらの3機構の入出力の関係は一般的に
(2-6)
と表すことができる.ただしでロボットの位置姿勢,は制御変数,Jは移動ロボットのヤコビアンであり,を含む.
移動ロボットの位置姿勢は上式を積分して
(2-7)
と表される.
0.1.2 運動方程式の別の表現
・軌道を経路長sと接線の傾きθで表現する.
・各点の曲率半径をとし,軌道に沿う速度をvsとすると,旋回速度はである.
・制御変数と軌道上の直進・回転速度との関係は
(1)2DW1C機構
(3-1)
(2)1FDW1FS機構
(3-2)
(3)1RDW1FS機構
(3-3)
・与えられた軌道を辿るための制御変数を求めるのはこの表現の方が簡単である.
0.1.[補] シミュレーションにおける描画のためのAGV寸法