12.0.2C[補]AGVの経路追従運動と経路生成の詳細説明 2008−4−18
・円弧−直線繋ぎ合わせ曲線の始点と終点を与えて経路を計算する方法を(1)-(12)のパターンについて記述する.
・円弧の半径raは許容半径Rm [m]とする.
・ただし直線と直線を円弧で繋ぐことができる経路の場合((9)-(12)のケース)は半径は計算から決まり,その限りではない.
・始点と終点を与えたとき,複数のパターンが存在し得る.その場合は,最も短い経路長の経路を採用する.
・以下の計算で,AGVの始点終点の位置姿勢(方向)が与えられているとする.
・図の色々な経路について経路長を計算し,その最も短い経路を採用する.
(1),(2)CCW-L-CW, CW-L-CCW経路の数式化
・図は(1)CCW-L-CWの経路で,始めの円弧の中心が法線正の方向に,後の円弧の中心が法線負の方向にある.
・(2)CW-L-CCWの経路はその逆である.
・左図で経路始点,終点,,,中間点,とする.
・円弧の中心位置は
, ((1)CCW-L-CWの場合) (1-1)
, ((2)CW-L-CCWの場合) (1-2)
, (1-3)
・円弧の角度をα,β(未知)とすると
((1)CCW-L-CWの場合) (1-4)
((2)CW-L-CCWの場合) (1-5)
, (1-6)
mはこの段階では未知である.
・直線の長さと方向は
, , (1-7)
の場合は解がない.γ>0とする.
・mはをCCW-L-CWでは-γ,CW-L-CCWではγだけ方向を変えた方向にある.
((1)CCW-L-CW), ((2)CW-L-CCW) (1-8)
このmは既知である.
・(1-4), (1-5)と等値してα,βが求まる.
, (1-9)
, ((1)CCW-L-CWの場合) (1-10)
, (1-11)
, ((2)CW-L-CCWの場合) (1-12)
・2円弧を繋ぐ中間の直線は斜掛けの共通接線である.共通接線の長さと方向は
(1-139
,または ((1)CCW-L-CW) (1-14)
,または ((2)CW-L-CCW) (1-15)
・直線・円弧の繋ぎ点は
(1-16)
(1-17)
(3),(4)CCW-L-CCW,CW-L-CW経路の数式化
・図は(1)CCW-L-CCWの経路で,2つの円弧の中心が法線正の方向にある.
・(4)CW-L-CWの経路はその逆である.
・左図で経路始点,終点,,,中間点,とする.
・円弧の中心位置は
, ((3)CCW-L-CCWの場合) (3-1)
, ((4)CW-L-CWの場合) (3-2)
, (3-3)
・円弧の角度をα,β(未知)とすると
((3)CCW-L-CCWの場合) (3-4)
((4)CW-L-CWの場合) (3-5)
, (3-6)
mはこの段階では未知である.
・直線の長さと方向は
, (3-7)
・mはをCCW-L-CCWでは-π/2,CW-L-CWではπ/2だけ方向を変えた方向にある.
((3)CCW-L-CCW), ((4)CW-L-CW) (3-8)
このmは既知である.
・(3-4), (3-5)と等値してα,βが求まる.
, (3-9)
, ((3)CCW-L-CCWの場合) (3-10)
, (3-11)
, ((4)CW-L-CWの場合) (3-12)
・2円弧を繋ぐ中間の直線は平行掛けの共通接線である.共通接線の長さと方向は直線と同じである.
, (3-13)
・直線・円弧の繋ぎ点は
(3-15)
(3-16)
(5),(6)L-ARC-ARC経路の数式化
・図は(5)L-CCW-CWの経路で,始めの円弧の中心が法線正の方向に,次の円弧の中心が法線負の方向にある.
・(6)L-CW-CCWの経路はそれぞれの円弧の中心は逆の位置にある.
・左図で経路始点,終点,,,,とする.
・Obは
((5)L-CCW-CW), ((6)L-CW-CCW)
(5-1)
(5-2)
・始点から法線方向にだけ離れた点は
((5)L-CCW-CW), ((6)L-CW-CCW) (5-3)
・右図において,点は
((5)L-CCW-CW), ((6)L-CW-CCW) (5-4)
((5)L-CCW-CW), ((6)L-CW-CCW) (5-5)
(5-6)
・であるから
(5-7)
・従ってOaは
(5-8)
(5-9)
(5-10)
・円弧から直線に移る点は
((5)L-CCW-CW), ((6)L-CW-CCW)
(5-11)
・円弧が移り変わる点は
(5-12)
・円弧が張る角度α,βは方向に関係なく
((5)L-CCW-CW) (5-13)
((6)L-CW-CCW) (5-14)
((5)L-CCW-CW) (5-15)
((6)L-CW-CCW) (5-16)
(7),(8)ARC-ARC-L経路の数式化
・図は(7)CCW-CW-Lの経路で,始めの円弧の中心が法線正の方向に,次の円弧の中心が法線負の方向にある.
・(8)CW-CCW-Lの経路はそれぞれの円弧の中心は逆の位置にある.
・左図で経路始点,終点,,,,右図の終点から半径 だけ法線方向に離れた点 ,とする.
・Oaは
((7)CCW-CW-L), ((8)CW-CCW-L)
(7-1)
(7-2)
・終点から法線方向にだけ離れた点は
((7)CCW-CW-L), ((8)CW-CCW-L) (7-3)
・右図において,点は
((7)CCW-CW-L), ((8)CW-CCW-L) (7-4)
((7)CCW-CW-L), ((8)CW-CCW-L) (7-5)
(7-6)
・であるから
(7-7)
(7-8)
・従ってObは
(7-9)
(7-10)
(7-11)
・円弧が移り変わる点は
(7-12)
・円弧から直線に移る点は
((7)CCW-CW-L), ((8)CW-CCW-L)
(7-13)
・円弧が張る角度α,βは方向に関係なく
((7)CCW-CW-L) (7-14)
((8)CW-CCW-L) (7-15)
((7)CCW-CW-L) (7-16)
((8)CW-CCW-L) (7-17)
(9)−(12)ARC-L,L-ARC経路の数式化
・2直線の交わりを緩和するときによく用いられる.
・(9)ARC-Lの場合は始点から最小半径以上の半径で,始めの直線なしで経路を作る.
・図補(9)で,円弧の方程式とP1点を求める.
・,,,,とする.
・とすると
(9-1)
∴
(9-2)
・この式からが分かる.
⇒ (9-3)
⇒
(9-4)
・この段階で,でなければならない.
・のときは(9), (10)ARC-Lである.
円弧の半径Rは
(9-5)
であり,
(9-6)
でなければならない.
このときの円の中心位置は
((9)CCW-L), ((10)CCW-L) (9-7)
である.
ならば円弧の曲率で(9)CCW-Lのケースであり,ならばで(10)CW-Lのケースである.
・のときは(11), (12)L-ARCである.
円弧の半径Rは
(9-10)
であり,
(9-11)
でなければならない.
このときの円の中心位置は
((11)L-CCW), ((12)L-CCW) (9-12)
である.
ならば円弧の曲率で(11)L-CCWのケースであり,ならばで(12)L-CWのケースである.
・円弧の半径がとなり得ないケースもある.それは始点終点間が近くて向きの変化が大きいときであるが,これは他の経路((1)-(8)のどれか)で対応する.