12.4C 経路追従運動のサンプル値制御におけるサンプル時間と安定限界 2008-10-5
(フォルダ名 AGVSMPC)
1.特性方程式
・サンプル値制御系の安定性は,z変換したパルス伝達関数の特性方程式のHurwitz安定判別によって分かる.
・パルス伝達関数はどのAGVでも
(1-1)
で表され,その特性方程式は
(1-2)
・この式の係数は
, ,
, (1-3)
・Dは各AGVについて以下のようになる.
(1)2DW1C機構: , ,
(1-4)
(2)1FDW1FS機構: , ,
(1-5)
ただし (1-6)
(3)1RDW1FS機構: , ,
(1-7)
ただし (1-8)
・特性方程式の根がz平面上で単位円内にあることが安定条件である.
2.Hurwitzの安定判別
・Hurwitzの安定判別によれば
(2-1)
(2-2)
(2-3)
(2-4)
(2-5)
(2-6)
ならば安定である.
・連続制御のフィードバックゲインを与えたとして,サンプル値系の安定範囲内でサンプル時間Tsをどこまで大きくできるかを吟味する.
3.安定であるためのサンプル時間の限界
・(2-1) – (2-6)式は以下のようになる.
(1)>0
>0 (3-1)
(2)>0
>0 (3-2)
(3)>0
>0 (3-3)
(4)
>0 (3-4)
(5)>0
>0 (3-5)
(6)>0
(3-6)
(3-7)
(3-8)
(3-9)
(3-10)
(3-11)
>0 (3-12)
ただし
, ,
, , (3-13)
・これら6条件を満足するサンプル時間Tsの限界値を求めればよい.
・Tsの限界値を解析的に求めることができないので,数値計算による.
[註]Ts=0(連続制御)のとき全てのBは0になるが,安定であることは明らかである.Ts有限でどれかのBが0となるときが限界値で,これは目標値に収束も発散もしない持続運動となる.また,Tsが限界値以上では不安定であるが,必ずしも発散するとは限らない.