3 線形n自由度振動系の自由振動(03freevibrationn)
・ n自由度の自由振動は,n個の固有振動数があり,それぞれに対応する固有モードがあること,および任意の初期条件から始まる振動はn個のモードの適当な比率を掛けた和であることが見られる.
・ 運動方程式は
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・ 自由振動を
と置くと,上式は
,すなわち
ただし ,
の全てが0でない解を持つためには
この式はに関するn次式であり,
と表せる.この式を振動数方程式という.この式の根が固有振動数であり,一般にn個存在する.
・ i次の固有振動数に対応する振動振幅は,各マスの振幅比として得られる.例えばとしてはに対する比として
,
により与えられる.この振幅比をi次の振動モードと言う.
・ 各モードには
,
の性質がある.これを各モードは直交すると言う.この性質を利用して任意の初期条件から始まる自由振動は
のようにモードの線形和で表すことができる.
● シミュレーションにおける描画画面
・ 画面左側 : 振動の時間経過(描画画面上でキーsを押し続けると時間的変化が表示される)
右側 : 弦でつながったマスの振動モード
● シミュレータの使い方
・ スタート → (1)自由度入力 → (2)系の定数入力 → (3)描画する振動波形の数入力
→ (4)初期条件設定 → 描画
・ キー操作(描画画面上でキーを押し,変更は文字画面上で)
s :振動継続(sを押し続けないと何も変化しない)
n :自由度変更
m :自由度変えず,系の定数変更
j :上記系を変えず,初期条件変更
c :描画する振動曲線の数変更
Y, y :振動振幅の拡大縮小
T, t :時間軸の拡大縮小
● 特徴
(1) 振動モードは最小の固有振動数ではマス全体が1つの半波長のようになる.と次数が高くなるにつれて2つ,3つ,・・・の半波長の波が見られ,第n次モードはマスが順にプラス・マイナスに位置するn個の半波長が見られる.