4.3.4
1対標準歯車のかみ合い(ファイル名04gearmesh)
(1)
歯車諸元
モジュールをmとして
・ 圧力角(標準圧力角・かみ合い圧力角)
・ ピッチ円半径(標準ピッチ円・歯切りピッチ円)
・ 歯先円半径
・ 基礎円半径
・ インボリュート有効半径(切り下げが生じる点の半径) :数値計算による
通常である.
・ 円ピッチと法線ピッチ ,
(2) 1対歯車の諸元
・ 軸間距離
・ 近寄りかみ合い長さ
・ 遠のきかみ合い長さ
・ かみ合い率
切り下げによる有効インボリュート曲線が減少すると,図のC点よりD点の方が内側にきて,かみ合い長さはでなく,と短くなり,かみ合い率が小さくなる.
・ かみ合い率は1以上なければならない.z<10では切り下げによって相手歯車が何であっても1以下となり,正しい回転伝達ができない.
●
シミュレーションの使い方
・モジュールm=1[mm]と正規化している.
・ スタート→(1)歯数z入力→(2)シミュレーション項目選択→(3)アニメーション→(2)へまたは終了
・ (2)選択項目: 1:駆動歯車(歯車1)の描画
2:従動歯車(歯車2)の描画
3:1対歯車のかみ合い運動
・ 3のアニメーションにおけるキー操作
zキー :歯数変更
sキー :かみ合い運動継続
w, Wキー:図の縮小拡大
r, Rキー :かみ合い回転の正逆転
● 特徴
・ かみ合い点(接触点)が直線上を移動することが分かる.
・ かみ合いはC1またはD1点から始まり,C2またはD2点で終了する.
・ 歯数が少ないと,かみ合い率が1以下であり,前の歯のかみ合いが終わっても次の歯がまだかみ合いに到らない状態が生じる.
・ 標準歯車の場合は歯数が多くても2になることはない.
・ involuteの切り下げを起こさず,歯先が尖らない(歯のたけが小さくならない)限界の歯数と転位係数には限りがある.実用的にはz=8がその限界である.